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柴田七美 個展 『SURFACE』 2012.6.14-17

by 2017年4月 1日 10:37 PM

柴田はしばしば骨董を見に行く事があります。
そんな時彼女は、その骨董がどこで作られどのように使われていたか、
という事よりもその物が持つ存在感や表面の質感を見るのだそうです。
この視点は彼女の絵画にも通じている様に思います。

彼女は絵のモチーフをネットや雑誌の画像から選んでいます。
もちろん選ぶ画像の構図やトーンバランスは吟味しますが、
そのモチーフが何であるのかには特にこだわりがないそうです。
彼女は選んだ画像と絵の具と支持体というルールを使って
パズルゲームの様に絵を描きます。
彼女の物の存在感や質感に対する視点は
彼女がパズルゲームを解くための最も重要な条件の様に思えます。

今回の個展はそんな彼女のいくつかの答えを見られる
一つのチャンスとなる事でしょう。



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作家コメント
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表面、表層、水面、うわべ。

制作するにあたって、私にとって絵を描くとは、ものを作るとはどういう事なんだろうと考えたとき、
作品にどんな意味が込められていようと、結局の所は表面(画面、ビジュアル)を繕う事に神経が向かっていて、
何が描かれているかという事にはそんなに意味を見出していない自分がいます。

私は「もの」をつくる事に捕われており、そこから離れた所で表現をする事は出来ないと自覚しながら絵を描いています。

これはネガティブな事ではなくて、私にはそれが最も生きやすい人間活動の方法であり、
「もの」をつくるという事から、自らの身体的感覚を通して、何かが出てくる可能性を信じるからこそ続けている行為だと思っています。

私の中には、絵を描くという事のどこかに、やはり限界があるのではないかと言う諦念と、
でも可能性を信じたい前向きな姿勢の二つが共存しています。
表面、表層という言葉には物事の境界線という意味もあるので、そういう意味でも、
ジレンマを抱えてしまいながらも制作に取り組む自分と、
そこ(境界線)から出来てくる作品の、リアルな部分に近い言葉なのではないかと思い、このタイトルにしました。


柴田七美

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