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ことばラボ 読みの実験室 第2回

by 2017年4月 1日 10:36 PM

小説というのは一つの人工物です。
読者をその作品世界に取り込むための仕掛けが施されています。
ですが、我々読者にとって、その小説のトリックとでも言うべきものはあまりにも「自然」なため、
あえて意識しなければ気にならないと言えます(中にはそのトリックをあえて意識させるような小説もあるわけですが...)。
この人工の編み物(テクスト)を織り上げているいくつかの要素に自覚的になることで、
これまで気付かなかった読解の可能性が見えてくるかもしれません。

第2回(実質初回ですが)は小山田浩子の小説『穴』を用いながら、
「物語論(ナラトロジー)」と「フィクション論」を紹介したいと思います。

(担当:戸丸)

日時;2014.7.22 19:30〜21:30
料金:1500円(1Drink)
お問合せ:tomasson.y@gmail.com
場所:ニューロ吉祥寺

小山田浩子の小説『穴』(新潮社)を読んできてください。

------------------- 講師の紹介 -------------------

戸丸 優作 Tomaru Yusaku 
東京大学大学院総合文化研究科博士課程。
主な研究対象はサミュエル・ベケットのフランス語による小説作品。「読む」ことについてニーチェはこう言っている。
「技術としての読み方を習得するには、何よりもまず、 今日はなはだしく忘れられている一事が必要だ。
そのために諸君はほとんど牛にならなければならず、 間違っても〈近代人〉であってはならない。
その一事とは何か。それは反芻することである」(『道徳の系譜』)。 
反芻することももちろん大事だが、個人的には、姿勢を変えることも重要である、と思う。 


------------------- ことばラボとは -------------------

「あなたが好きな本」をいくつか思い浮かべてみてください。
そのなかに小説はどれほどありますか。
それらお気に入りの小説たちをあなたが初めて手にとったのはいつで、当時あなたはなにを想い、
それからどれくらい読み返したでしょうか。小説は刻々と変化していきます。
紙に書かれた文字が同じでも、それを読む私たちが変わっていくからです。 

「小説の世界」と一口に言っても、書かれた時代や文化は様々で、さらに読み手の解釈は千差万別。
たったひとつの読みでは完結できないルーズさこそが、小説の豊かさでもあります。 
「あなたの読み」と「私の読み」が出会うとき、小説の世界は今までとはまたちがう表情をのぞかせるはず。

若い文学研究者たちが提案するいくつもの読みのアングルを触媒にして、ともに新しい小説の世界を
試行錯誤してみませんか。 ことばラボはそんな「読みの実験室」です。 


------------------- 今後のスケジュール -------------------

第3回 8/26(火)
「旅する文学 ー萩原朔太郎『猫町』」担当:加勢俊雄

第4回 9/23(火)
「歴史の語り方 ーローラン・ビネ『HHhH』」担当:唐橋聡



戸丸 優作 Tomaru Yusaku

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